メンドーサのワイナリー(1)

アルゼンチン・メンドーサは、アンデス山脈の麓に広がる雄大な景観とともに、世界屈指のワイン産地として知られています。年間を通じて晴天に恵まれ、乾燥した気候と大きな寒暖差がブドウ栽培に理想的な条件を生み出し、ここから生まれるマルベックをはじめとする赤ワインは、世界中の愛好家を魅了しています。近年は観光地としての注目度も高く、多くのワイナリーが見学ツアーやテイスティング体験を用意し、旅行者にとって魅力的な訪問先となっています。

なかでも必ず訪れたいのが カテナ・サパータ(Catena Zapata)。アルゼンチンワインの国際的評価を高めた名門で、ピラミッドを模した印象的なワイナリー建築は観光名所のひとつです。畑を眺めながらの試飲や、熟成庫を巡るツアーでは、高地栽培が生み出すエレガントなマルベックの奥深さを実感できます。

伝統を感じさせるのは ルイジ・ボスカ(Luigi Bosca)。1901年創業の老舗で、長い歴史と家族経営の温かみを残しています。ブドウ畑を歩きながらの説明や、ワインと地元料理のペアリングを楽しむプログラムが充実しており、アルゼンチンの食文化とともにワインを味わえるのが魅力です。

また、芸術や建築に興味がある方には サレンテイン(Salentein) が人気です。ウコ・ヴァレーの広大な自然に囲まれ、近代建築を取り入れた美しい施設はまるで美術館のよう。館内にはアートギャラリーやコンサートホールが併設されており、ワインを超えた文化体験ができます。

一方、よりカジュアルに楽しみたい方には トラピチェ(Trapiche) のツアーがおすすめです。大規模な生産者でありながら観光客への対応が整っており、見学では最新設備と伝統的な手法の両方を間近に見られます。多彩なラインナップの試飲は初心者にもわかりやすく、アルゼンチンワインの全体像を知るのに最適です。

さらに、自然志向の旅行者に人気なのが アンデルーナ(Andeluna)。標高1,300メートルの高地に位置し、環境への配慮を大切にしたワイン造りを行っています。畑に囲まれたレストランでは、地元食材を使ったコース料理とワインのペアリングを楽しむことができ、アンデスの山並みを望む絶景は忘れられない思い出となるでしょう。

メンドーサのワイナリー巡りは、単なる試飲にとどまらず、自然、文化、歴史に触れる総合的な体験です。観光客はワインを味わうと同時に、土地の人々の情熱や誇りを感じ取ることができます。旅の中で訪れるワイナリーは、アルゼンチンの魅力そのものを映し出す窓口となり、訪れる人々を深い感動へと導きます。

ところで、メンドーサにはどのくらいのワイナリーがあるのでしょうか。各資料によりますと下記のとおりです。

推定されるワイナリー数(2025年時点)

約800軒

  • Great Wine Capitalsによれば、メンドーサ州には800のワイナリーがあり、これはアルゼンチンで最も多い数です greatwinecapitals.com
  • Go Ask a Localの最近の記事では、「メンドーサ周辺に800以上のワイナリーがある」と記されています Go Ask A Local

約1,000~1,200軒

  • TravelAgeWest(2025年6月) の記事では、「メンドーサ州はアルゼンチン最大のワイン産地で、1,000以上のワイナリーがある」と報告されています travelagewest.com
  • The Latin America Travel Companyのブログでは、「1,200軒以上のワイナリーがある」と記述されています thelatinamericatravelcompany.com
  • Rimontgó Wineries(不動産販売サイト) では、「メンドーサ州には1,200以上のワイナリーがある」とも述べられています rimontgowineries.com

約1,500軒

  • **NapavallyLife(2023年)**によると、マイプー、ルハン・デ・クヨ、ウコ・ヴァレーの各地域を合わせると、1,500軒に及ぶとの記述があります Napa Valley Life Magazine

なぜ推計に幅があるのか?

  1. 定義の違い
    「ワイナリー(bodegas)」の定義が異なり、大規模メーカーから小さな家族経営まで含めるかによって数が変わります。
  2. 地域の網羅範囲
    マイプー、ルハン・デ・クヨ、ウコ・ヴァレーなど主要地域に限る場合と、州全体を対象にする場合で数に差が出ます。
  3. データの更新時期
    最新の統計や調査が不定期であるため、発表時期によって数字が前後することがあります。

まとめ:おおよそのワイナリー数

推計値説明
800軒前後観光・旅行記事ベースの現地感覚。
1,000~1,200軒一般的なガイドや不動産関連報告などでよく使われる数字。
1,500軒主要ワイン産地3地域を合計した場合の最大推計値。

結論

広義には、メンドーサ州には約1,200軒前後のワイナリーが存在すると考えるのが妥当です。世界的には「800軒以上」という数字も引用されることが多いですが、地域別を含めた最新の推計では1,000〜1,500軒という幅のある見方が一般的です。

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